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広告代理店の乗り換えは失敗しやすい?判断基準・手順・3つの選択肢を解説

広告代理店・手数料 公開: 執筆:笹川 慶太 読了目安:約4分
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この記事の結論

  • 成果が出ない原因が「代理店の力量」ではなく「目標設計・計測・情報共有」にある場合、乗り換えても同じ問題が起きます。まず原因を切り分けましょう。
  • 選択肢は「乗り換え」だけではありません。「今の代理店のディレクションを強化する」「一部をインハウス化する」の3つから選べます。
  • 乗り換える場合は、アカウントを自社名義で持ち、引き継ぎ期間を重ねて、最初の1〜2ヶ月は成果の揺れを前提に計画します。

広告代理店の乗り換えとは、いま広告の運用を任せている代理店との契約を終え、別の代理店に切り替えることです。ただし、成果が出ない原因を切り分けないまま乗り換えると、新しい代理店でも同じ問題が起きがちです。この記事では、乗り換えるべきかの判断基準から、乗り換え以外の選択肢、失敗しない手順までを順に解説します。

乗り換えを考える前に:成果が出ない原因はどこにあるか

代理店の成果に不満があるとき、原因は大きく4つに分けられます。このうち、代理店を替えれば解決するのは「運用の力量」だけです。

目標の設計KPIが事業の目標とずれている発注側で解決
計測コンバージョンが正しく測れていない発注側と一緒に解決
情報共有在庫・利益率・営業状況が伝わっていない発注側で解決
運用の力量改善の提案や検証が少ない乗り換えで解決できる
成果が出ない4つの原因と、乗り換えで解決できる範囲

目標や計測、情報共有に原因がある場合は、乗り換えても新しい代理店が同じ壁にぶつかります。まずは次のセルフチェックで、原因の当たりをつけましょう。

セルフチェック:当てはまるものはいくつありますか?

  • 代理店に伝えている目標が「CPA◯円」だけで、利益や在庫の事情は共有していない
  • 管理画面のコンバージョン数と、社内の受注数が大きくずれている
  • 月次の定例で、こちらから質問や要望をほとんど出していない
  • 代理店の提案を、根拠を確認せずに承認している

2つ以上当てはまる場合は、乗り換えの前に発注側の体制を見直すと、今の代理店のままでも成果が変わる可能性があります。

乗り換え以外の3つの選択肢

代理店への不満を解消する方法は、乗り換えだけではありません。状況に応じて、次の3つから選べます。

Aディレクションを強化する

代理店はそのままに、発注側で目標・評価基準・情報共有を整え、提案の質を引き出す

向いている:代理店の力量には大きな不満がない
B別の代理店に乗り換える

運用の体制や得意分野が合う代理店に切り替える

向いている:提案や検証の量・質そのものに不満がある
C一部をインハウス化する

指名検索など影響の小さい範囲から自社運用に切り替え、判断を社内に持つ

向いている:判断の速さやノウハウの蓄積を重視したい
代理店への不満を解消する3つの選択肢

実際、代理店に全面委託している企業の約半数(52.9%)が、1年以内に一部を自社運用へ移すことを決めている、または計画しているという調査もあります(テスティファイ調べ、2026年)。「乗り換えか、継続か」の二択ではなく、AとC、BとCを組み合わせる選び方も現実的です。

乗り換えを判断する3つの基準

それでも乗り換えを検討する場合は、次の3つで判断しましょう。

  1. 改善の提案と検証があるか:毎月、仮説と打ち手、その結果の検証が示されているか。数字の報告だけになっていないか。
  2. 質問への回答が具体的か:「なぜ成果が落ちたのか」と聞いたときに、データに基づいた答えが返ってくるか。
  3. 担当者が事業を理解しようとしているか:商品の特徴や利益構造について、代理店側から質問があるか。

3つとも満たしていない場合は、乗り換えを本格的に検討してよいタイミングです。

失敗しない乗り換えの手順

  1. 1〜2ヶ月前現状の整理目標・計測・アカウント名義を確認し、乗り換えの目的を言語化する
  2. 1ヶ月前新しい代理店の選定同じ資料で2〜3社に提案を依頼し、比較する
  3. 2〜4週間前引き継ぎの合意解約の申し入れと、権限・リンク解除の期日を書面で決める
  4. 切り替え並走と移管新旧が重なる期間を設け、配信を止めずに管理権限を移す
  5. 切り替え後1〜2ヶ月安定化成果の揺れを前提に、週次で数値と設定を点検する
乗り換えの基本的な流れ(規模により前後します)

代理店選びでは「同じ資料」で比較する

複数の代理店に提案を依頼するときは、目標、予算、現状の数値、課題を1枚にまとめた資料(RFP)を同じ内容で渡しましょう。条件をそろえないと、提案の良し悪しを比較できません。

手数料だけで選ばない

代理店の手数料は広告費の20%前後が一般的な相場とされていますが、最低手数料や、初期構築・計測設定・クリエイティブ制作が別料金になる場合もあります(一創「Web広告の運用代行とは?」より)。手数料に何が含まれるかを必ず確認しましょう。詳しくは「広告代理店の手数料相場は?」で解説しています。

乗り換えで特に注意したい3つのこと

  • アカウントの名義:代理店名義のアカウントは、解約時に配信の履歴や学習データを引き継げない場合があります。手順は「代理店からアカウントを移管する手順」をご覧ください。
  • 計測タグの管理者:タグマネージャーなどの管理権限が代理店だけにあると、乗り換え後に計測が止まるおそれがあります。
  • 成果の一時的な揺れ:構成を大きく変えると、自動入札の学習が安定するまで成果が揺れます。社内には事前に共有しておきましょう。

まとめ

広告代理店の乗り換えは、原因を切り分けたうえで選べば、成果を立て直す有効な手段です。ただし、目標・計測・情報共有に原因がある場合は、乗り換えより発注側の体制を整えるほうが近道です。どれを選ぶべきか迷ったら、無料のアカウント診断で、原因の切り分けからお手伝いします。

よくある質問

広告代理店を乗り換えるベストなタイミングはいつですか?

繁忙期や大型キャンペーンの直前は避け、比較的落ち着いた時期に、新旧の代理店が並走できる1ヶ月程度の期間を確保できるタイミングがおすすめです。予算の切り替わる期初に合わせると、社内の調整もしやすくなります。

乗り換えると成果は一時的に下がりますか?

新しいアカウントで立ち上げ直す場合や、構成を大きく変える場合は、自動入札の学習が安定するまで成果が揺れることがあります。既存のアカウントを引き継げば、影響を小さく抑えられます。

今の代理店に乗り換えを伝えにくいのですが、どうすればいいですか?

契約書の解約条項を確認したうえで、「方針の見直し」として早めに相談するのがおすすめです。アカウントの名義や引き継ぎの期日は、書面で合意しておきましょう。

出典・参考

  1. テスティファイ「デジタル広告運用の課題と自社運用への切り替え」に関する調査(2026年7月)
  2. 株式会社一創「Web広告の運用代行とは?費用相場と代理店の選び方・内製との判断基準」(2026年9月更新)
執筆:笹川 慶太(株式会社MediaOwl 代表取締役)代理店側のプランニングと、事業会社側のハンズオン支援の両方を経験。代理店運用から自社運用への移行を主導してきた実務者です。 プロフィール →
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